本の広場 図書館超活用術 奥野宣之 著 朝日新聞出版
私は、「図書館は、本を借りて読むところ」と思っていましたが、この本「図書館超活用術」は、「図書館は本を読むだけのところではなく、課題解決のために利用するところ」と教えています。
好きな本、好きな作家の本を読むこと、何かを調べるために図書館を利用することもまた、当然の利用方法であり、誰もがしていることです。
では、本書の言う「課題解決のために利用する」とは、何でしょうか?
そのために、筆者は、まず図書館では何ができるかを示しています。
その一、図書館は、世界、時代、分野を問わず、あらゆる情報を蔵している<知>の宝庫です。
その二、図書館は、資料を読み、考察し、記録し、文章を書く、仕事場として利用できます。
その三、図書館は、課題解決に必要な資料を司書が教えるレファレンスを利用できます。
その四、図書館は、集中できる空間、豊かな発想を生み出せる空間、しかも、無料の空間です。
自宅で寛ぐための読書であれば、図書館から本を借りて、自宅で読めば済みます。
生活上の情報、知識、技術を知りたいのであれば、自宅に持ち帰り、読めば、わかるでしょう。しかし、もっと大きなテーマ、ことに仕事(ビジネス)上の課題であれば、夜も眠れぬほど悩み、ストレスを貯めこむことがあるのではないでしょうか?
そのような課題に直面した時、図書館を利用しませんか?と呼びかけているのです。
逆に、良い図書館は、蔵書が豊富にあること以上に、①資料の検索が容易であること、
②他の図書館(大学、国立図書館を含む)の情報を得られること、③電子図書、データベースの利用ができること ④司書にレファレンス能力があること、⑤郷土資料が充実していること、などが求められます。
私自身、ここまで図書館を利用することは、殆んどありませんでした。
この本「図書館超活用術」は、図書館にはこのような可能性があることを教えてくれました。図書館の価値が数段上がり、町おこしにも大きく貢献する図書館になることは間違いないと思います。要は、私たち市民がそのような図書館利用をすることでしょう。
図書館友の会 井藤和俊
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