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[2022年4月号] エッセイ「人生を決めた本との出会い」

更新日:2022年4月19日

エッセイ「人生を決めた本との出会い」

                               怒留湯 誓 


読書離れと呼ばれて久しい。近年は、新聞購読も激変、そんな時代を迎えています。私のこどもの頃を省みますと、みんな本に飢えていました。本を購入する余裕などありません。

たまに裕福な家庭の仲間が雑誌やマンガを学校に持ってくるとみんなが本を囲み輪になって、見たものです。わが家で唯一の本といえば、「家の光」という農業雑誌でした。中学生の頃になると、「少年倶楽部」や「少女の友」など少年少女向けの絵本雑誌が出版されていました。夢中になって読みましたね。ただし、学校ではマンガや雑誌は持参禁止で、よく叱られました。

その中でも、小松崎滋、伊藤彦造、中原淳一などの挿絵は今でも忘れません。本に親しむきっかけになったと思います。

「モナリザ」模写  怒留湯 誓氏  

 さて、私の針路に影響を与えたのは、中学生になって間もなく図書室で見た「美術全集」でした。始めて見る、世界の名画、そのなかで見た「モナリザ」という人物画です。あまりにもリアルで驚きました。勿論、当時はモノクロでした。その時自分も描きたいという願望が芽生え将来は画家に成りたいと強く思ったものです。

 私が教師の道を選ぶきっかけになったのも確かです。

絵画への目覚めで教師の道を歩くことになったのです。退職後、海外の美術館めぐりであのダ・ビンチの名画「モナリザ」に再会することが出来ました。絵の前に立ち少年時代の感動が蘇り夢のようでした。

 現在80路全国公募の絵画展に応募し2年連続でグランプリに選ばれたのも人生のいい思い出です。

 書籍との出合いが人生を変えた拙文を読んでいただきありがとうございました。


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