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[2021年2月号] 本の広場「格差社会を考える」



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<格差社会>を考える本の紹介      井藤和俊

 元高級官僚が起こした交通死亡事故をきっかけにネット上に「上級国民」「下級国民」という言葉が生まれました。これまでにも、下流老人、下流社会、格差社会などという言葉が広く使われています。

 日本の社会が、バブル崩壊以降、一億総中流社会と言われていた日本の社会構造が、流動化し始め、中間層の分解、格差拡大が明瞭になってきました。

 世の中が大きく変わり始めたのです。「新自由主義経済政策」が既存の社会秩序(年功序列・終身雇用)を壊し、以後外国人労働者雇用、製造業の海外移転、非正規雇用が進み、誰の目にも日本社会の<格差社会化>が露わになりました。

昨年来のコロナ禍は、この格差が修復し難いほど、深く日本の社会を分断していること、同時に誰もが下層、下流に押し流される社会になっていることを明らかにしました。

 この格差社会の内実を、それぞれ視角を変えて捉え、格差をただす方策や方向性を問う有為の研究者の著書を、紹介します。

「下流社会」著者 三浦 展(あつし)(1958年生れ)光文社新書 2005年刊

「下流老人」著者 藤田孝典(1982年生れ)    朝日新書  2015年刊

「新・日本の階級社会」著者 橋本健二(1959年生れ)講談社現代新書 2018年刊

「日本社会のしくみ」 著者 小熊英二(1962年生れ)講談社現代新書 2019年刊

「上級国民/下級国民」著者 橘 玲(あきら)(1959年生れ)小学館新書 2019年刊


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