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[2020年6月号]人物紹介 福井龍一さん



人物紹介:福井龍一さん

 福井さんは多才な人です。演劇人、料理人、作家、画家と創作意欲旺盛な友の会会員です。

 福井さんは、大学時代熊本の若手の演劇人として嘱望され、熊大中退して上京し、昭和40年代「演劇企画集団66」に所属し、常田富士男、古林逸郎氏らと新宿渋谷を拠点に、アルバイトで生活しながら、芝居に打ち込んでいました。

 同郷の奥様との結婚出産を機に、昭和47年帰郷し、熊本市新市街に、熊本初のスパゲテイ専門店(イタリアンハウス「パスタ」)を開店し、お店は若い女性に人気の店として繁盛しました。平成にはパスタブームで賑わったのですが、やがて競合するお店が増え、アルバイト学生の質も変わり、平成23年70歳を機に、37年続けたお店を閉じました。

 翌年、共に生家の菊池に帰り、長年の夢だった小説に挑戦しました。

 「菊池一族の恋」は、菊池の歴史に詳しくない人でも、気楽に読めて楽しめる恋愛小説の歴史本として書きあげられています。現代のふたりの飲食店での主人と客の出会いから始まって、その店を同居して手伝いつつ、客や元夫、警察官の出現に、菊池一族の話しが織り交ぜられ、二人が結ばれるなかで、彼らが、菊池一族の武将やその敵方の武将の末裔であったという話です。現代に歴史をからめる恋愛小説です。

 次作「卑弥呼は生きている」は、よく知られている卑弥呼も、歴史的事実は不明で、治めた地は近畿や九州、九州でも、筑後や佐賀などとともに、菊池説もあったので、菊池を舞台のロマン小説に仕立てられています。この本でも、前作同様、現代の登場人物の話に、卑弥呼の時代の人物が織り交ぜられ、血筋を思わせる読み物とされています。

現代の物語に歴史上の人物を縁ある者として登場させる手法は福井氏独特の小説作法と思われます。

 (注)「菊池一族の恋」トライ出版 定価1800円+税 菊池物産館発売中

    「卑弥呼は生きている」アマゾン キンドル小説発売中


福井さんは、今は「ボタニカルアート」という絵画に専念しています。ボタニカルアートという絵は、水彩で花を、花弁も葉も茎も、その色の変化を余さず、その筋一本一本を描く驚くほど精密な絵です。(写真)

今年喜寿を迎える福井さんの旺盛な創作意欲には、驚くばかりです。

 なお、福井さんは、友の会の読書サロンの常連で、演劇や小説の書き方や韓国映画などについて、楽しく語って、いただいています。                    (紹介者 井藤和俊)


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