投稿 岩崎京子著 毛利まさみち絵「原爆の火」
投稿者 菊池市立菊池南中学校 1年 太田琴乃
私は小学六年生のとき、修学旅行の学習や社会科の歴史の学習の中で、広島と長崎に投下された原子爆弾のことを知りました。初めてこの本を手にとったのも、戦争についての学習があっていたときに、学校の図書室で見つけて興味を持ったからです。
原子爆弾、それはたった一発から瞬間的に放たれる熱線、爆風、放射線により、何万、何十万の命を奪うものです。作中では、広島のことが書いてありますが、ついさっきまで何気ないひとときを過ごしていた人々は、一瞬にしてこの世のものとは思いがたい姿と化したのです。皆、水を求め、楽にしてくれと すなわち死を望み、辺りはたちまち屍がさ迷い歩く地獄と化したのです。何の罪もない人々は原爆という地獄の殺戮兵器によって犠牲となりました。生きのびた人だって、知人が死んだと分かれば平然としてはいられないのが普通でしょう。ですがその中で、多くの人を殺し恨みの元となる原爆、そのかけらの「火」を絶やすことなく、伝えていく人がいることに、私はとても驚きました。行動としては戦争を語り継ぎ今後起さないようにするのと一緒ですが、ただ単に「戦争をしてはいけない」と言うのとは違い、ちっぽけな火が殺戮兵器になったことがあったという事実を、本で、文字で、言葉で、訴えかけてくるような気持になりました。最近読んだ中で、一番心に残っている本です。
最近は戦争に関する本が増えてきて、学校の授業などでも取り入れられることがあります。私たち生徒や子供は「怖いなあ」「戦争はいけないね」という結論で終わる事だって少なくないと思います。しかし、その先を詳しく知ったり、これからの世界や日本の事を考えることが大切だと思います。「原爆の火」この本でその事を学びました。
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