読書サロン「インターネットと読書」
参考文献 「支配の構造」著者 堤 未果 中島岳志 大澤真幸 高橋源一郎
(SB新書)
日時・場所 1月16日(木)10時~12時 菊池市老人福祉センター
2020年(令和2年) 元旦 阿蘇山上の初日の出
近年 スマートフォンの普及により、本や新聞雑誌が読まれなくなったと言われています。スマートフォンは大量の情報を迅速に伝えることができます。しかし、情報の発信者は、玉石混交で、しかも匿名で発信できるので、情報の信頼性を疑う必要があります。
プロの編集者の手を通した本や新聞雑誌を読むということは、情報の幅奥行を広げ、ネット情報を解析する力を与えます。
なお、これらは、一般的に時の政治的社会的な話題情報についてです。
高度に専門的な情報、学問的情報については、素人の出る幕はありません。専門家同志のやりとりは、いずれ多くの専門家の目をくぐることになります。
私たちは、スマートフォンの利便性を活用するとともに、そのネット情報を咀嚼する力を身に付ける必要がありますが、読書や新聞雑誌を読むだけでは、不十分です。
必要なことは、他の人の意見を聞くことです。討論することです。
日本人の共通の性格として、「空気を読む」ということがあります。今の言葉で言えば「忖度」です。メデイアの世界では、「同調圧力」です。
「同調圧力」に屈せず、自分の考えを主張する力量を身に付けるには、古今東西の良書を読むことですが、個人の時間と能力には限界があります。現代の優れた思想家の書を読むことで、間接的に古今東西の思想の蓄積を、学ぶことができます。
時の圧倒的な世論が、後世では、間違っていたということは、しばしばあります。その時の大事な視座は、<庶民の命と暮らしを守る>ということだと思います。<国を守る>は、<時の政権を守る>ことに利用されてきた歴史があります。
2020年は、オリンピックの陰で、国民の間の分断は、更に進む年かもしれませんが、それでも、庶民の知力と外国人を含む他者への敬意を深める年にしたいと思います。
投稿者 井藤和俊
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